先日、徳島県鳴門市にある「大塚国際美術館」に行ってきました。
「大塚国際美術館」 といえば、2018年の紅白歌合戦で徳島県出身の米津玄師さんが「Lemon」を披露した場所です。荘厳な天井絵・壁画、キャンドルの灯が幻想的な空間の中、ダンサーとともに歌い上げたのは記憶に新しいと思います。
この記事はこんな方におススメです。
- 大塚国際美術館について興味がある方
- 気軽にたくさんの名画を見てみたい方・間近に感じてみたい方
- 小さいお子さんを連れて美術館に行ってみたい方
- 芸術や世界史について知識を深めたい方
- 写真撮影して記録に残したい方
順に説明していきますね。
「大塚国際美術館」 はこんな美術館
大塚国際美術館は、世界初の「陶板名画美術館」です。
陶板名画とは、特殊技術により陶器の大きな板の原画に忠実な色彩・大きさで作品を再現したものです。
紙やキャンバス・土壁と比べ色が経年変化せず、大きさも原寸大に再現されているため、実際の名画を見るがごとくの迫力・臨場感で楽しむことができます。
所在地は徳島県鳴門市。目の前には海が広がり、淡路島が目と鼻の先に見えます。
地元の企業・大塚製薬を有する大塚グループがグループ創立75周年記念事業として設立しました。
そこには、大塚国際美術館初代館長 大塚正士氏の地元への恩返しの思いが込められています。
そして最大の特徴は建物そのものにありました!
美術館のコンセプト・構造
構造
大塚国際美術館は、地下3階~地上2階の5階建ての構造になっています。
なんとこの美術館、山をくりぬいてその中に建ててしまったのです!
なので、外から見ると山頂にちょこっと1・2階部分が見えているだけ。
入口のエントランスは山にくっついているため、一見、山の中に誘われるような錯覚に陥ります
コンセプト
大塚国際美術館のコンセプトを簡単にまとめてみました。
- 世界初の陶板名画美術館
- 古代壁画から世界26か国190余のm美術館が所蔵する現代絵画まで至宝の西洋名画を原寸大で1,000余点展示。よって日本にいながら世界の美術館が体験できる。
また陶板名画はその特性により、約2,000年にわたりそのままの色と姿で残せるため、文化財の記録保存の在り方に大いに貢献するものである。
陶板名画へのこだわり
次のような手順を経て陶板名画は出来上がります。
- 原画の著作権者・所有者へ許諾取得
- 現地撮影・原画撮影
- 色の分解
- 転写紙に印刷
- 陶板に転写
- 1000~1350℃で焼成
- 技術者の手仕事によるレタッチで作者の筆遣いまで再現
- 焼成
- 検品
- 陶板名画の完成
特に⑦によるレタッチで、油絵などの絵画の凹凸や質感・筆の走りまで立体的に再現されているのです。
並大抵のこだわりではないことがうかがえます。
そしてもう一つの特徴は、再現したのは絵画だけではなく、礼拝堂や聖堂・墓など、壁画や天井画は施設ごと一部再現したこと。一歩足を踏み入れたら異空間が広がります。これは没頭できますね~
展示品の種類・数
美術館の階ごとに時代に分かれていて、入口から入り地下3階の古代・中世から始まり、地上2階の現代まで、時代背景と美術様式の移り変わりを感じながら鑑賞を進めていくことができます。
B3(地下3階):古代・中世(システィーナ・ホール、スクロヴェーニ礼拝堂など)
B2(地下2階):ルネッサンス・バロック(「ヴィーナスの誕生」「モナ・リザ」モネの大睡蓮など)
B1(地下1階):バロック・近代(ゴッホ「ひまわり」ミレー「落ち穂拾い」ムンク「叫び」など)
ゴッホのひまわりは、現存していない1枚を含む、世界各国に散らばる7枚のひまわりを一か所に展示。
1F・2F(地上1・2階):現代・テーマ展示(ピカソ「ゲルニカ」シャガールコーナーなど)
写真撮影OK(商用禁止)
美術館によっては撮影禁止のところも多いのですが、大塚国際美術館は館内の展示物はすべて写真撮影OKです。
それどころか、「最後の晩餐」の写真撮影用の顔はめパネル(こともあろうにキリストの顔をくり抜いており、なりきれる)など、撮影スポットがそこかしこにあります。
お年寄りから小さいお子さんまで楽しめるポイント
美術館って、普通は静かに、騒がず鑑賞するのがマナー。万が一、はしゃいだ子供が美術品に触れたり壊したりしてしまったら・・・そんなことを考えると、小さいお子さんは一緒に連れて行きづらいかも・・・
しかし、大塚国際美術館は館内がとても広く、通路も幅広いため、お子さんがうろうろしてもそれほど気になりません。
展示品はすべて陶板のため、目と鼻の先で鑑賞してもOK(触れるのは禁止)。そんなに神経質にならなくてもよさそうです。
また、1Fには屋上の広い庭園があり、ここで走り回ったり寝転がったりできるのでお子様の休憩ポイントにはもってこいですね。
授乳室はB3に1か所、おむつ替えができる多機能トイレは各階にあるので、赤ちゃん連れでも安心。
実際、親子連れや赤ちゃん連れ、ベビーカーを押す夫婦などたくさんいました。
フロントでは音声ガイドの貸し出しがあります(料金500円)。約100点の展示品の解説を聞くことができるので、小さい文字の解説文が読みにくい人に便利です。
「大塚国際美術館」 おすすめの食事
館内には3か所のカフェとレストランがあります(レストランは休業中)。
私はB2にある「カフェ・ド・ジヴェルニー」で食事をしました。テラス席で、モネの大睡蓮の横で食べたのがヴィーナス・カレー・・・もう意味が分からないですね。
「大塚国際美術館」 厳選!おすすめお土産5つ
オリジナリティあふれる土産物がたくさんありますが、もらったら嬉しいかなと思うものを選んでみました。
ミニ陶板(額なし、全54種類)2,550円(税込)陶板名画美術館らしいお土産。小さくても存在感あり。
卓上カレンダー(2022年1月始まり)990円(税込)そろそろカレンダーの準備も必要ですよね…?
ゴッホ「ひまわり」和三盆(9個入り)756円(税込)食べるのもったいない。
レスポワールクッキー缶「ヴィーナスの誕生」(2枚入り×6袋)864円(税込)
食べ終えた後、缶は宝物をいれてね
図録100選(日本語)1,320円(税込)帰宅後、もう一度浸りたいと思う人は自分用に良さそう…
「大塚国際美術館」 お得な割引情報
通常の入館料(いずれも消費税等込)
一般 3,300円
大学生 2,200円
小中高生 550円
お得に割引で購入するには団体割引(20名以上で10%引き)と前売り券の二種類があります。
前売り券の料金(いずれも消費税等込)
一般 3,160円
大学生 2,140円
小中高生 530円
前売り券は、1.コンビニチケットで購入する方法 と、2.公式オンラインチケットで購入する方法があります。以下の点に注意が必要。
- コンビニチケットはネットから予約後、ローソンとセブンイレブンで購入・レジ発券ができます。システム利用料や店頭発券手数料がかかる場合があるので要注意。
- 公式オンラインチケットは入館直前まで購入可能。決済はクレジットカードかd払いが選べる。メールアドレスや住所・電話番号などの登録が必要。決済後、QRコードの画面を見せるだけで入館できる。
まとめ
大塚国際美術館は、西洋画に関する知識がなくても、だれもが知っている絵画に出会える美術館です。
「あ、知ってるやつ!」
「えー、この絵画ってこんなに大きいの?」
「近くで見るととても繊細だったんだ」
…等々、新しい発見もたくさんあり、本物ではないレプリカながらこんなに美術館って楽しいんだと感じました。
子供からお年寄りまで、気軽に訪れてほしい美術館でした。近隣には宿泊施設がたくさんあるので、コロナが収束したら遠方からもぜひ訪れてみてください。
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